大規模?高層?マンションのタイプを知ろう
どんなタイプのマンションがあるのか
マンションには、小規模・中規模・大規模のマンションがあり、低層・中層・高層という種類分けもできます。どちらも明確な定義はないのですが、一般的に50戸以下のマンションは小規模マンション、50戸超~100戸以下を中規模マンション、そして100戸を超える規模を大規模マンションと呼びます。
また、こちらも明確な定義はありませんが、通常は低層住居専用地域に建てられるような高さ12メートル(または10メートル)までのものを低層マンションと呼び、階数としてはおおむね地上4階建て程度になります。
また、5~10階までのマンションが中層マンション、11階以上のマンションを高層マンション、そして20階以上(もしくは60メートル以上)のマンションを超高層マンションというのが一般的です。超高層マンションは「タワーマンション」とも呼ばれ、湾岸エリアを中心に増えてきました。
規模によるマンションの魅力の違い
大規模マンションの大きな魅力は、なんといっても以下のような共用施設やサービスが充実している点です。
・豪華なエントランス
・コンシェルジュ付きのラウンジ
・フィットネスジム
・ライブラリー など
どのような共用施設・サービスがあるかはマンションによって異なりますが、大規模マンションはスケールメリットを生かせるので、共用施設やサービスが比較的充実しているという魅力があります。というのも、このような共用施設には維持費がかかるので、入居者が多い大規模マンションなら、多額の管理費から賄うことができるからです。
また、大規模マンションの開発事業は大手デベロッパーが手がけていることが多いので、中古市場でも価値が下がりにくい点も魅力といえます。さらに、戸数が多いため間取りのバリエーションも多く、自分のライフスタイルに合わせた間取りを選択できる点も魅力的です。
ただ、大規模マンションは広大な立地が必要なので、駅から遠い場所や郊外に建築されているケースが多いのは難点になります。利便性の高い立地に建つ場合は用地取得が高額になるので、一住戸の販売価格も高額になる傾向にあります。
一方、小規模マンションの魅力は、規模が小さいので居住者同士のコミュニティーを形成しやすい点です。コミュニティーを形成しやすいと管理組合の運営もスムーズにいき、共用部分の修繕など入居者の合意が必要な事案も比較的円滑に進みます。
また、中規模マンションは、大規模マンションと小規模マンションのどちらの特徴も併せてもっているマンションであり、物件によって特徴が大きく異なります。例えば、駅から近いものの共用施設がない60戸のマンションもあれば、駅から遠いものの共用施設が小規模マンションより充実している90戸のマンションもあります。
階数によるマンションの魅力の違い
前提として、超高層マンションは100戸を超える大規模マンションが大半なので、前項の「大規模マンションの特徴」を兼ね備えます。その上で、超高層マンションならではの魅力は以下の点です。
・眺望、陽当たりが良い
・周辺に利便施設が多い
大規模マンションでも中層マンションの場合は、眺望・住環境は部屋によって異なります。超高層マンションの場合でも低層階は眺望が良くないマンションもありますが、超高層マンションは「公開空地(オープンスペース)」を設ける関係で、建物が住戸の目の前に隣接することはありません。
そのため、大規模マンションの中でも超高層マンションには「眺望・陽当たりが良い」という魅力があるのです。また、超高層マンションを建築するには、「商業地域」などの高い建物を建築できる用途地域に限定されます。つまり、「周辺に商業施設などの利便施設が多い」という魅力があるわけです。
一方、低層マンションの魅力は、比較的住環境が良いエリアに建築しやすいという点です。というのも、超高層マンションと違い、低層マンションは主に住居系の用途地域に建築します。例えば、「第一種低層住宅専用地域」であれば、低層の住宅しか建築できません。
そのため、その地域には店舗や事務所を建築することも難しく、閑静な住宅街が形成されやすいのです。超高層マンションに比べると利便性は多少下がるかもしれませんが、良好な住環境が保たれる点は大きな魅力と言えます。
一方、中層・高層マンションは、前項の超高層・低層マンションの中間に位置します。そのため、どちらの魅力も享受できる点は魅力ですが、どっちつかずになるという難点もあると言えるでしょう。
いずれにしろ、規模や階数によってマンションの魅力は変わってくるので、それぞれの特徴を理解した上で、実際の候補物件を吟味してマンション選びをしましょう。